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新年あけましておめでとうございます 

2008年01月01日 ()
 はい、あけましておめでとうございます。
 とは言うものの、正月ごろってTVは大して面白くないし、寒いし。正月ってことは冬休みも折り返しってことで、大してめでたくない。

 それと、実家に帰ってるので糞つまらない日記以外の更新はできません。SSは、まぁ、まってください。
 あぁ、あと、暇な実家暮らしのついでに、今まで消すぞ消すぞといいつつ消さなかった前のサイトですが。消しました。やっと。

 元日中に更新したいのでこの辺で。
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[2008.01.01(Tue) 23:53] 未分類Trackback(0) | Comments(0) 見る▼
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なんという連載速度、もはや月1さえ保てぬか 

2007年12月17日 ()
 いい加減ことしも終わりますね。センター試験に始まった今年はどんな終わり方を迎えるのかと思えばTOEICで終わるみたいです。死ねよ

 成績にかかわることらしいのですが、卒業まで何回でもうけれるので気楽なもんです。とりあえず分からなければ全部Bで行きます。9割B

 後は、運否天賦ですね。受験に使った運気は残っているのか。そこに集約されるでしょう。

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[2007.12.17(Mon) 02:32] 未分類Trackback(0) | Comments(0) 見る▼
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白の乙女は終焉の夢を見るか2-4 

2007年12月17日 ()
「陛下、何故今回サルドバルトに親書を? そもそも、こちら側につくとは考えにくいのですが」
 暇をもてあました将軍がその勲章だらけの服をまとってやってきたのは数分前、何を聞いてくるかと思えばそんなことか。
Open↓

「サルドバルトはラキオスとイースペリアに囲まれ敵国と領土を隣接していない状態にあります。そんな国がわざわざ敵国とさえ呼べる我々と手を結ぶなどと考えにくいのですが」
「そういう見方もあるな。しかし、サルドバルトの国土を見れば分かるがそのほとんどが湿地に覆われており、作物を得ることは難しく、マナも豊富ではない。そのマナも大半をスピリットにまわしており国は豊かではない。そのスピリットも仕事をしないしな」
 将軍は腕を組み真剣に考えているようだ。
「同盟は結ばれるさ、もちろん秘密裏にだがな。国土を見てもサルドバルトはラキオスとイースペリアに美味しい所をとられて余って不要な部分を押し付けられたようなものだし、宗主国とさえ呼べる歴史のあるラキオスと広い国土と豊富な資源のあるイースペリア、そして何もないサルドバルト。同盟内でも発言力がないと言う話しだから、およそ他2国に対する不満は大きいだろう」
「其処を突くと?」
「もちろん、文面にはラキオスとイースペリアを襲い痩せた国土を押し付けられた先祖の汚名を雪げ、とは書いたが帝国に味方しろとは書いてないからな」
「それでわざわざ年老いたスピリットや伸びの悪い者を集めているのですか」
「もちろん、これで国内のスピリットの質の向上も図れる。そうそう、そのスピリットの選抜だか私の指名した人物にやらせているか?」
「当然です。陛下の言われたとおりの人物に仕事を任せております。これが中途の書類になります」
 そういって将軍が差し出した書類を受け取る。1枚1枚には年をとり成績も悪いスピリットのプロフィールが書かれている。
「ほぼこちらの希望通りのスピリットがリストされているな、引き続きスピリットの選定をするよう言っておいてくれ」
「分かり申した」
 将軍は大げさにマントを翻すと毅然として歩みで部屋をあとにした。





 痩せた大地、活気のない街、ラキオスとは形こそ似ているもののその中身はまるで違う街が眼前に広がっている。
「ラキオスとは比べるべくもないですね」
「そうだな」
 サルドバルトでは作物は実らず輸入に依存しており、いつ尽きるとも分からない鉱物資源に依存したこの国は発展と言う発展を遂げられていなかった。

 活気のない市場が大通りの両側に並ぶ。煌びやかな宝石を加工したものから、ガラス細工まで、鉱物を売りにするだけあって鉱石の加工技術は高いようだがそれだけで国を養えては居ない現状がありありと見て取れる。路地はまるで日光を拒絶するように暗く、そして細い。
「あれですね、ヘキサから教えてもらったホテルは」
 王城の半分ほどの高さを持つホテルは大通りの中でも敷居の高い区画に位置していた。

 フロントでチェックインを済ませ、案内された部屋に荷物を置く。豪華すぎるといっても構わないほどに贅が尽くされた部屋は少々息苦しさを感じさせる。
「なぜこのホテルなのでしょうか?」
 部下の一人が不思議そうに言う。実際お金は足りるからいいもののこれほどの部屋をあてがわれても手前らはどう過ごしていいかさっぱり分からない。
「ヘキサは街でしばらく過ごせば分かるといっている」
 問題は国王の寝室のありかだ、なるべく高い位置にあるが細かい位置は分からない。金銭的にも1週間ほどが期限なのでそれまでに国王の寝室に忍び込まなければならない。
「とりあえずは街へ出る。情報収集からだな」





 ウルカたち2人がサルドバルトに向けて旅立ってから2日、宿舎の中は静まり返り。私を含めヘキサも碌に仕事と言う仕事をしていなかった。窓からは紅く染まった夕日が指し込み格子の影を床に落としている。

 私は、若干あきれた風を装いながらコーヒーを飲んでいるヘキサに仕事はないのかと言う。ヘキサは一瞬こちらを見たが、すぐに視線をはずしコーヒーカップを口元に寄せながら待つのも仕事の内と言った。
「陛下には情報を手に入れるにはまず足を使うべきだと言われましたが」
 私もそれに従い街中を歩き回り、いろいろと聞いて回っている。何度かスピリットを見かけたことはあるがエトランジェと言えるものはまだ見ていない。しかし、聞き込みの結果先日のヘキサによる情報がかなり信憑性が高いものだと言うことは分かった。
「足を使い、情報を得るために尽力するのも重要。けれど、待つべきときは待つもの」
 ヘキサはそう言うが私はそうは思わない。努力し、苦労して手に入れてこその結果だと思うし、現に私も歩き回ることで手に入れた情報もある。
「そうかもね、けれどどれも効果的と言うほどのものではないでしょう? 私が持ってきた情報の方が遥かに有益だと思うけれど?」
「確かに、私は歩き回りはしたがエトランジェにつながる情報は手に入れてはいない。けれどそれはたまたまあなたがそういった場に出くわしたからで────」
「ほら、今偶然って言った。偶然なんてものは下を見て歩き回っても拾えないものよ」
「ここでコーヒーを飲んでいても拾えるとは思えませんけどね」
「減らず口はまず実績をあげてからにしなさい。二人の留守を預かるのならなおさらね」
 軽く口であしらわれた。不思議と悔しさはないが、かといってヘキサの言うとおりにするのもずいぶんと癪で、私は少し大股にきびすを返し夕飯の買出しに向かった。玄関横の鏡で髪の色を確認すると扉に手をかけ、「今日はあなたの当番だから期待してるわ」と言う言葉に押し出される形で宿舎から出た。





 サルドバルトは治安が悪い。第一印象はそれだった。街には浮浪者があふれ産業と人口の間のバランスを保てていなかった。財あるものは笑ってばかりで何もいわず。元気あるものは同じような人間を見つけては政治やスピリット、果ては隣人のカーテンにまで文句を言う始末。そして、何もないものは黙って両の手の平を差し出すのみ。およそ3種類の人間に分類できた。
 治安が悪ければこうして楽に情報も手に入るのか、楽に数ヶ月前まで城で勤務していたものから簡単な間取りを入手できた。数時間その者を付けたが別段何者かに通報するようなそぶりはない。
「この情報は信頼できるでしょうか」
 部下の1人がいかにも訝しげに言うが、そんなものは試してみればいいだけの話だ、だめならそのとき考える。城門で目をこすり眠気を紛らわす番兵を見ていると楽観もできる忍び込むのは簡単だろう。
「それよりも、このホテルを使うよう言われたのが良く分かる」
 夜のサルドバルトはそれこそ最悪といっていい。露出の高い服を着た女が路地から街を行く男に手を伸ばしているのが窓から見える。路地はまるで飲み込むように人を呼び込み、出てくるものは少ない。どれだけ外が悪かろうがホテルの中にいれば安全とサービスが金額に合わせて提供される、最も高級なホテルならば最も質の良い安全とサービスが与えられる。現に、町の住民でありながら居を構えずこのホテルに暮らすものも多い、その分生活は苦しいようだが。

 ホテル内部のレストランで食事を取りながら特別な意味を持つ単語を出さずに会話する。
「それで、決行はいつにします?」
「早いに越したことはないが、考えてみれば目標は不在かもしれんしな。在宅を確認してからでも遅くはないだろう」
 煮込みやわらかくなった肉をナイフで切り分けフォークで食べる。帝国で出される食事よりも遥かに上質だ。
「この仕事はいい。楽で、それで美味しい」
「あまり大きな声で言うことではないな」と軽く笑いながら部下が差し出したグラスに軽く自分のグラスを当てる。グラスの中で赤いアルコールが波を立ててろうそくの明かりを反射する。
 グラスの向こう側には軽く微笑む部下の顔、窓の外は全てを飲み込む静寂と闇に包まれた市外、そして遥か虚空城の戦闘の向こうに下弦の月がぼんやりと浮かんでいた。



 翌日から手前らは行動を開始し、日の昇っているうちに城壁の低い場所、及び警備の薄いであろう場所を探し出した。もともと戦線から程遠いこの国の兵士の士気が高いはずもなく、城の裏手ともなると、昼から仕事を捨ててカードゲームを興じる兵士が裏門の外でたむろしている。侵入ポイントを裏門そばの巨木に定める。城の中の構造は聞いたとおりならば問題ないだろう。
「あとは城の中で兵士に出くわさないことですね」
「あぁ、いかに国王の寝室に忍び込むかが問題だな」
 戦争に縁がない国といえど国王の寝室を守っていないはずもなく。その警備兵のあしらい方が問題だった。しぶとく隙を伺うのも考えたが、敵の懐でゆっくりと時間が過ぎるのを待てるほどの余裕があるはずもない、結局運を天に任せ最悪力任せに気絶、ないし殺害すると言うことで決まった。

 次に国王が実際に城内に居るか、だがこれは労せずに知れた。肉も装飾品もひげさえも無駄に豪華、まさに過剰な無駄が無駄に多い護衛をつれて城下を視察していた。碌に仕事もしていないのにえらそうに街中を行くさまだけは国王然としていた。結局国王自ら我々の前に姿を現し、そのまま城門に消えた。その後国王が外出する気配もなく、決行を今夜と決めた。
 決まれば後は得にすることもなく、ラキオスの二人のためにちょっとした土産を買い部屋で時間をつぶす。夕飯を少量に済ませると部屋で時間をつぶし、夜が深まるのを待ってから行動を開始した。



 裏門には警備が居るには居たが気だるそうに月を見上げたり舟を漕いだりするばかりで周囲に注意を全く配れて居ない。息を潜め近くの茂みで兵士を見ているあろうことかその場に座り込みひざを抱えるようにして寝始めた。
「ここまで怠惰な兵士だとは思いもしませんでした」
 部下があきれた風に目の前で眠りこける兵士をつま先で指す。
「そのおかげで仕事が楽になる、むしろ感謝するべきだろう」
 部下もそうですね、とため息をつきながら近くの巨木を上り始める。城壁は正直高いとは言えず、せいぜい手前らの身長の4倍程度と思えた。帝国の城壁が異常に高いのは分かってはいるが、ラキオスのものと比べても低いのは容易に伺えた。
 大きく張り出した枝から城壁に飛び移り、そのまま城壁を回ってバートバルト海を望むバルコニーへ飛び移る。兵士は大概ぼんやりと突っ立っているだけで隙をうかがえばその目をかいくぐることは手前らの運動能力では容易だった。
 城内を巡回する兵も少なく死角は多い、柱に置物に隠れながら進み、目的の国王の寝室の前にまで着いた。

「妙だな」
「ですね、国王の寝室の前に見張りが居ないだなんて」
 事実国王の寝室の前には兵士などおらず、むしろ王族の居室をかねたこの区画には人の存在さえ感じられない。
「静か過ぎて逆に不気味だな」
 扉に耳を当てても部屋の中に人の気配は感じられない。
「扉、破りますか?」
「音を立てるのは不味い、見たところ鍵もないようだが」
 扉を見たところ鍵穴と呼べるものはない、豪奢な扉にノブがついただけの無用心なつくりになっている。

「私が一気に押し開きます、準備だけは」
 そういって部下がノブを回し、ドアを一気に押し開く。音を立てないよう配慮はしたが重厚な扉はギィィとその身を軋ませる。手前らはすぐさま扉を閉じ、部屋の中に人の気配がないことを確認すると安堵のため息をついた。
 が────

「誰か」

 と、奥の扉から声が聞こえた。
 バートバルト海を望む広い部屋の隅に扉があり、そこから聞こえているように思われる。

「誰ぞ、何か用か」

 部下と顔を見合わせる。すぐに出てこないところを見るに兵士ではなさそうだが、手前ら二人は慌てふためき、おろおろとしていた。頭の中でヘキサに言われた、質問されたときは苦しい嘘でも黙り込むよりはまし、と言うような訓戒が頭をよぎるがとっさに口をついて出てきた言葉は、
「サルドバルト国王、ダゥタ・ダイ・サルドバルトとお見受けする。……我々は、帝国皇帝より親書を携えてまいった」
 全力で暴露していた。

 部下が呆然とした顔でこちらを見ている。手前も相手から見えもしないのに深く下げた頭を今では両手で抱えている。
「帝国からの? おもしろい、顔を見せよ」
 カチャン、と鍵が開かれる音がする。部下と顔を見合わせると奇襲も警戒しつつ扉を開き部屋の中へと足を踏み入れた。

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[2007.12.17(Mon) 02:27] 白焉Trackback(0) | Comments(0) 見る▼
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車、ぶつけちゃった 

2007年12月05日 ()
こう、縁石に、ガツン、と。
いや、びびったね、マジで。

さらば左前輪のタイヤホイール、一個だけないのは不細工だから全部はずすよ。

とりあえずぶつかられるのは慣れてますが、ぶつけるのは初めてなので見た目の被害はタイヤホイールだけですがスタッドレスに換えるついでに診てもらおうかと思います。

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[2007.12.05(Wed) 18:01] 日記Trackback(0) | Comments(0) 見る▼
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白の乙女は終焉の夢を見るか2-3 

2007年11月11日 ()
 ラキオスについたのは帝国を発ち3日した後だった。馬車に揺られバーンライトとラキオスの国境に着いたものの、関所を通れるはずも無く山間の獣道ともいえないようなところを通りラキオスに入国した。帝国に比べ少し肌寒い、同じ大陸でもやはり差は出てくるものだ。
Open↓

「隊長、これでラキオスに入国できましたね」
「ここで隊長と呼ぶのは控えろ、打ち合わせどおりカフラと呼べ」
 陛下には事前に仕事中の名前を各自に与えられている。馬車の中で何度も打ち合わせをしたが難しい。手前は部下の前失態は見せられないので部下の目を盗んで練習はしたが、2人はまだ厳しいようだ。手前の名は他国にも知れ渡っているためいっそうの注意が必要だ。

 ラキオスの城下町にはすんなりと入ることができた。門番はのんきにあくびをかきながら立っているだけ、門を通るものを中止するわけでもない。形だけのものだ。
「ひとまずあてがわれた住居に行く、先にラキオスにあるアジとに荷物を置いてから任務に移る」
 記憶の中にある地図を頼りに複雑な並びの建物の合間を縫うように進む。肩をぶつけないように逸らしながら路地に入り、入り組んだ路地の中にある一軒のアパートを見つける。そのアパートの前で一人の女性が手盛り無沙汰にタバコをふかしている。

「あなたが、今日からここを使う人?」
 女性はタバコを炉辺に吐き捨て靴の裏で火を消してからこちらに歩いてくる。
「そうだ、301から303まで」
「ここまで来るのに切符は使った?」
 これは確認、手前らが帝国からの諜報員かどうかを確かめるための。
「えぇ、これを」
 そういって女性に出国用の証書と書類を手渡し、代わりに別の書類を受け取る。
「なるほど、じゃ、私は別の用事があるから、あなたたちあなたたちでがんばってね。このアパートは304以外は全部空き部屋だから好きに使うと良いわ」
 そういうと女性は渡された書類を流し読むとそのまま煙を黙々と上げる焼却炉の中に捨て、手前らの脇をすり抜けるように路地を後にした。

「カフラ、今ので彼女は全て記憶したのでしょうか?」
「そうだろうな」
 肩をすくませながらアパートの中に入る。アパートは窓側が大通りに面している。しかし、路地が複雑に入り組んでいるため玄関にたどり着くのには苦労する。キッチンと浴場やトイレは共用、部屋は1階は食堂やキッチンなどの共用スペースで、2,3階は居住用の部屋が4部屋ずつ。
「先ほど301から303といいましたが、その部屋を使うのですか?」
「先ほどのはこちらの人数を伝えるためのものでしかない、8部屋あるのだから好きに使うと良いだろう」
 そういうと2人は意気揚々と階上に移動し好きに部屋を決めに行った。

 手前は食堂で食料品を確かめる。予想をどおり食べれるものはきれいさっぱり片付けられており。掃除が行き届いていることを除けばここに人が住んでいるとは思えない。
「まずは食料品か」
 陛下から渡された資金はここで数ヶ月活動する分には十分だった。働くなどということはする必要はないだろう。

 部下二人は202と203に決めたようなので手前も204に居つくことにする。部屋はこまめに掃除されているのだろう、すぐにでも使える様子だ。
 とりあえず荷物だけおき、部下を連れて買出しに行く。そのとき部下二人が見事にケースに入っているとはいえ神剣を持ち出してきたのでおいてくるよう命じた。
「神剣なしで行動するのはどうにも落ち着きません」
 そうは言うが神剣を持っていては仕事にならない、ラキオスのスピリットもこの城下町に住んでいるだろうからなるべく手前らがスピリットである痕跡は消しておきたい。
 仕方なしに部下二人には服の下に隠せるナイフを持たせることで納得させた。

 大通りに出るとドッと人があふれるように感じた。帝国の商業区も思い返せばこのような感じだったか。様々な人が道を行き交う様は今までなじみの無いものだった。
「たい……カフラ、これからどうしますか?」
 口を滑らしそうになった部下に視線で注意を促しため息一つ食料品などの買い込みに行くといってついてこさせる。スピリット3人が街中を堂々と闊歩しているのに誰として奇異の視線を向けるものは居ない。やはり陛下の言うとおり髪と瞳の色しか差が無いのだろう。髪の色は全員染めているので後はシラでも切れば人間として見られるはずだ。
 問題なく物は買うことができた。もともと手前の瞳の色は人間に近く、今は髪の色も黒く染まっている。後ろ二人は瞳の色が赤と青だがサングラスをかけさせている。



「嬢ちゃんたちはどうしてサングラスなんてかけてるんだい?」
 ……野菜を買っているときにふと聞かれた。とっさのことで言葉が詰まる、後ろの二人はもっとうろたえているようで、手前も何か言わなければと思うが言葉が出てこない。不審に思われる前に何か言わなければとは思うのだが。
「この二人は瞳の色がスピリットみたいでそれが恥ずかしくてサングラスをしてるのよ、ごめんなさいね」
 と横から聞こえた。おじさんはそれで納得したようで「それならしかたねぇな」と手前が渡した野菜をみて値段の合計を計算している。
「はいよ、次からはそんなもんしてこなくても良いぜ俺からみんなには言っといてやるよ」
 と言われ、代金を渡して八百屋を後にする。手前の横には先ほどアパートの前で別れた女性が立っていた。

「あれぐらいのことでうろたえてどうするの? 仕事にならないわよ」
 とオープンテラスの喫茶店で渇いた喉を潤しながら説教を受ける。
「どんな事情があれあなたたちは今任務中なのだから素性が割れるようなことはやめなさい、あなたたちは今人間なのだからそういう風に振舞うのよ」
「スピリットでは好きに生きることはできないと?」
「あなただって言われなくても分かっているでしょ? 無理よ、スピリットは人間と同じようには生きられない。あなたたちは今人間なのだからスピリットを穢れたものだと思い嫌悪しなさい」
 そう言って女性は席を立った。
「当分は私もラキオスに逗留することになるけどいつでもサポートできるわけじゃないから」
 そういうと彼女は軽やかな足取りで喫茶店をあとにした。

「カフラ、何故陛下はこのような仕事を私たちに依頼したのでしょう」
 部下の一人はひどく意気消沈していた。
「それは分からん、ただ、任務は遂行しなければならない」
 沈み込んだ部下二人を連れてアパートに戻った。手前も隊長という立場でなければ弱音を吐きたかった。自分で自分を貶めながらもやるべきことなのかどうか。何故、自分で自分のことを穢れたものと思わなければならないのか。そこまでして達成すべき仕事なのか。
「……なんであれ陛下から直々に賜った任務だ、失敗は許されない」
 カラン、と音を立ててガラスコップの中で氷が崩れた。





 トン、とコースターの上に少し汗をかいたコーヒーが置かれる。それを少し飲み、ヒルデから渡される書類に黙々とサインをする。
「陛下、一つよろしいですか?」
「どうぞ」
 サインを書類の一つ一つに書いていく。権力者と言うのはいろいろとめんどくさい、誰かが勝手にやってくれれば良いものを。……それじゃあ、権力者じゃないか。
「今回の密偵ですが何故わざわざスピリットに任せたのですか?」
 先日の事故により崩壊した工業区の河川の護岸工事に際し国庫からの予算を求める書類にサインをする。そもそも、俺は字が読めないので全てヒルデが読み込んで許可しても良いと思った書類を流し作業のようにサインして許可している状態で俺はまっとうな王といえるのか甚だ怪しい。
「サルドバルトの国王に手紙を渡してもらうためだ。さすがに国王に会うためには侵入するしかないだろ、まさか正規のルートで会えるわけでもなし。人間じゃ無理でもスピリットなら何とかするだろ」
 人事に関する書類にサインをする。ヒルデが書類を選別しようが俺がサインしなければならないのだから王は間違いなく俺だろう、と思索に決着をつける。
「スピリットが敵国で内偵を働いていると言う事実が露見する可能性も高いと思いますが」
「そのためにサポートを一人つけているんだろう? まぁ、彼女には別に仕事があるようだから四六時中サポートはできないだろうがな」
 ペンをおき伸びをする。ギシ、と椅子は軽く鳴き俺の体重を受け止めた。
「前も言ったがあのスピリットたちには任務に関しては強い期待はしていない。特別な訓練も受けてないからないきなりあーしろこーしろってほうがどうかしてる」
 コーヒーを飲む、苦みが喉を抜けて下に落ちていく。
「ただまぁ、これからもこんな任務は増えていくだろうからな。重要でない仕事から順にならしていくさ、その点今回は全く蛇足な仕事だからな」
「体験させるにはちょうどいいと?」
「そゆこと、別に無事に帰ってくれば成果がなくても良い。ま、それじゃ納得しないだろうけど」
 そのためのサルドバルトの任務を用意している。特に重要じゃないし達成できれば御の字程度のものだが、難易度は考える限りでは難しいものではないだろう。
「ロッドの妹に期待だな」




 手前らはあのあと少し市場をぶらつき、買い物を済ますとアパートに戻ってきた。
 トン、とミートソースがかかったパスタが目の前に置かれた。
「新入り三人に私からの差し入れ」
 とはいってもあなたたちが買ってきた食材で作ったから偉そうなことは言えないけどね。と言うがずいぶんとおいしそうな匂いを漂わせている。苦笑いをしながらキッチンに戻り、サラダの盛られた陶器の皿を盛ってダイニングに戻ってきた。
「ありがとうございます」
「いいわ、一応同業だしね。ちょっとした伝統なのよ先輩が出張してきた新入りに最初の晩に食事を振舞うのは」
 といいながら真っ先にフォークにパスタを絡め食べ始める。手前ら3人は一度顔を見合わせると、先輩の後に続くように食事に手をつける。

「名前を聞いても?」
 手前がそうたずねると、先輩は一瞬ポカンとした風だったがすぐに柔らかい表情に戻る。
「言っておくけど答えられるのは仕事のための名前よ?」
「構わない、手前はカフラと言う」
 このカフラも仕事用の名前だ、むしろ名乗るための名前とさえ言える。
「そ、なら私はヘキサよ。よろしく」
 そう言って差し出された手を握る。握った手は暖かくも冷たくもなかった。



「とりあえず、近々エトランジェが衆目にさらされるはずよ」
 とヘキサが食後のコーヒーを飲みながらなんでもない風に言う。
「あなたたちが来る数日前にバーンライトのものと思われるスピリットがラキオスに侵入して、そのままサルドバルトに逃亡、ラキオスのエトランジェが数名のスピリットを引きつれてアキラィスにて撃破。いかにも気分よさそうなお触れが出されてたわ」
 目の前の先輩はしれっと言い放つが我々からすれば重要な任務の一つがほぼ達成できたことになる。
「ちょっと待ってもらいたい。手前らはラキオスにエトランジェの有無を調べるように来たのだがこうも簡単に」
「おそらく陛下はエトランジェの存在を各国ひた隠しにするであろうと読んだみたいだけどそうではなかったみたいね」
 先輩は手前の言うことなど気にせず続ける。
「エトランジェは白い髪に赤い瞳、そして鉈のようにさえ見えるにび色の剣だそうよ。複数の人間からの証言だから信憑性は高いわね。もっとも、最終的には自らの目で確認しなければならないけれど」
 そういうと先輩はコーヒーを一気に飲み干した。
「とりあえずエトランジェはラキオス城内のスピリット用の詰所に居るみたいね、さすがにこっちから出向くわけには行かないわ。あと、ラキオスは今戦争を仕掛けられるほど潤沢なマナはないから、何かきっかけが生まれるまで戦争はないわね」

「ではカフラ、我々はサルドバルトのほうに専念できるのでは?」
 と部下の一人が耳打ちで質問をしてくる。しかし、
「そうね、ラキオスはしばらく沈黙を保つだろうし今のうちにサルドバルトに行ってきるのもいいわね」
 手前より先にヘキサが質問に答える。
「聞かれたくない話をするなら口元を隠すくらいのことはしなさい。一般人ならともかく、私くらいなら口の動きで話している内容くらい分かるわ」
 先輩はそういうと軽く手を振って自分のコーヒーカップを手に取り、ダイニングで洗うとそのまま自室に引き上げていった。



「それでカフラ、今後のことですが」
「うむ、エトランジェの存在はほぼ確かなものとなったが、目視で確認するには難しい。とりあえず今後はサルドバルト王に陛下からの書簡を渡すことを第一に考えるべきだろう。それで、今居る3人のうちサルドバルトに行くのは2人までとする」
 これには他の2人は以外だったようで、驚いた顔をする。しかし、手前が万が一にもエトランジェが城外に出るようなことがあったときに3人ともラキオスに居ない可能性を考慮に居れ最低1人はラキオスに残るべきだと説くと納得した顔になった。
「では私が残ります。サルドバルト城には忍び込むことになるでしょうから」
 部下の1人がそういう、彼女の赤い瞳が手前を見つめる。
「では、任せる。明日にでもサルドバルトに向けて発つ」
 細かな打ち合わせは道中に済ませることにして3人とも部屋で休むことに決めた。

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[2007.11.11(Sun) 22:13] 白焉Trackback(0) | Comments(0) 見る▼
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